「よつぼし」のご紹介

<特徴>

我が国2番目のイチゴ種子繁殖型品種で、実用利用される品種としては初になります。種子繁殖であるため、病害虫の親子間伝染を回避し、抜群の増殖率で、優れた種苗を効率よく得ることができます。
・早生性品種で、促成栽培(ポット育苗)で、5月播種、9月定植、11月下旬収穫開始が可能です。
・基本的には、低温短日に反応して花成形成します。加えて、25~27℃以下の気温条件では、24時間日長の長日条件でより花成誘導されやすいという「長日反応性」(四季成り性)を持っています。
・鮮紅色で形の良いきれいな果実です。
・「甘味」(あまみ)、「酸味」(さんみ)、「風味」(ふうみ)、「美味」(うまみ)が揃って「よつぼし」級においしい。高糖度で風味がある濃厚な食味です。また、「よつぼし」という名前には、4機関が共同で開発した期待の品種という意味も含まれています。(「美味」の読みは「びみ」でもいいですよ)
・「よつぼし」は遺伝子組み換え品種ではありません。種子繁殖型品種の育種法は、こちら。

<品種の利用について>

・「よつぼし」の果実生産(農業利用)と家庭菜園利用は、正当な種苗を購入し、ルールを守れば、国内の誰でも可能です。
・「よつぼし」の種苗を扱う種苗事業者は、「よつぼし品種利用ルール」の遵守と種苗販売先への伝達にご協力ください。従来、準会員として入会を強くお願いしていましたが、入会の有無は問いません。ご希望の方のみご入会ください。ただし、種苗法に基づく品種表示を行う際には、所定のロゴマーク使用のためご入会ください。

品種名:よつぼし
品種登録番号:25605
この品種を、許可なく海外に販売・輸出・持出しすることを禁止します(果実輸出を除く)。(農林水産大臣公示有)
この品種を、無断で増殖し、販売・譲渡(無償を含む)すると、違法行為として処罰されることがあります。

<栽培技術>

<開発の経緯と来歴>

【品種の開発】
・新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業「共同育種による種子繁殖型イチゴ品種の開発と種苗供給体系の改革」(2009ー2012)において、三重県、香川県、千葉県と九州沖縄農業研究センターが育種素材を持ち寄り、各機関の圃場を巡回し、最も優れた両親の組合せを共同で選抜しました。
・最終的に選ばれた両親の組合せは、三重県育成の「三重母本1号」を母親に、香川県育成の「A8S4-147」を父親で、「よつぼし」は、これら両親を交配して得られるF1品種になります(図参照)。

 

【栽培技術の研究と品種登録】
・農林水産業・食品産業科学技術推進事業「種子イチゴイノベーションに向けた栽培体系と種苗供給体制の確立」(2013-2015)において、育成4機関に加え、山口県、北海道、東北農業研究センターの7機関で栽培し、栽培技術マニュアルを作成しました。
・これらに加え、DNAマーカー、種苗生産技術や流通販売技術の確立について、三重大学、かずさDNA研究所、三好アグリテックとオイシックスに研究を担当していただきました。
・「よつぼし」は、2014年1月10日に品種登録出願され(出願番号第28844号)、2017年2月8日に品種登録されました(登録番号第25605号)。

【栽培実証と普及】
・革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)「種子繁殖型イチゴ品種「よつぼし」の全国展開に向けた省力栽培体系とICTによる生産者ネットワークの確立」(2016ー2018)で、実証栽培により、品種の普及拡大に取り組みました。

 

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